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型にはまる

No Engine, but Life な時間がつづいています(苦笑)。

子供がお茶を習っています。上の子はもうかれこれ7年、下の子も3年ほど。まだまだ未熟ではありますが、でもそれなりに所作が身についてきているようです。先日、上の子が免状をいただく機会があり、久しぶりにお稽古を見学してきました。そこで感じたこと。

お茶の作法、その動作は文字通り「お茶を煎れる」ための動作です。道具を用意し、お茶を点て、道具を仕舞う。どうやったってそれはできるのではありますが、そこを決められた手順、決められた所作ですることはなかなかに大変です。しかもそれを、ただ間違えないように動くというのではなく、まるで無意識でやっているように自然で流れるように、加えてその所作が美しくなるまでの修練は並大抵のことではないと思います。
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レーシングドライブにも似たようなことがあります。マシンが効率よく動きタイムを削るには、無駄な挙動が出てグリップやトラクションを失う時間は極限まで削る必要があります。そのためには加速・減速・旋回の各シチュエーションのつながりを流れるようにスムースに行う繊細なブレーキング、ヒール&トゥ、ステアなどが必要です。
ハンドルを回すのにやり方がある、なんて、考えたことがありますか?
 
 
サーキットドライブを始めた頃、我が師匠のひとりN崎さんに言われたこと。「ハンドルは押すんだよ。必ず押し手でステアすること。」人間の手の筋肉は、屈筋群のほうが伸筋群より強く出来ています。つまり、握る方向、力こぶを作る方向に動く筋肉のほうが腕を伸ばす方向の筋肉より強いのです。中学の頃、科学の実験での注意事項でモノが熱いかどうか調べるには手の甲を近づけて温度を感じること、というのがありました。もしも対象に触れてしまった場合、手のひら側で熱いものに触れたらその刺激で手はそのモノを握ってしまう方向に力が働いてしまうので大やけどをしてしまうからです。手の甲であれば、もしもの場合もそのモノから手が離れる方向に筋肉が働くからです。
 
話が逸れました。レーシングドライブでのステアリング捌き。ハンドルを『握り』、引いて操作していては、そのときに働いている屈筋群のほうが強いため、とっさのハンドルを戻す操作がしにくいのです。つまり、リアタイヤのグリップが抜けた瞬間に適切にカウンターステアを『当てる』必要があるのですが、それが、引いていては遅れるということなのです。ステアリングを『押して』操作していれば、必要なとき瞬間的に『引いて』カウンターを当てるほうが反応が早いのです。
 
しかし、頭で理解は出来ても実際にそれが反射的に出来るまでに身に付くには相当の時間と訓練を必要とします。まず最初に、ハンドルを必要以上の力で『握らない』ようにするのでさえ、かなりの時間がかかるのです。そして、そのような押し手がしやすいような腕の角度をつくるためのシートの位置などドライビングポジション作りも相当に重要なことなのです。
 
ふと気づくと、今では街中をゆっくり流しているときでも自然と『押し手』でハンドルを操作しているのに気づいて苦笑することがあります。
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身に付くのが難しいといえば、楽器、特にヴァイオリンなどの弓使いなどは本当に難しいですね。勿論、弦を押さえて正しい音程をつくる左手の指も、『正しく』身に付けるには本当に大変なことですが(未だに出来ない)。でも、これも子供のレッスンを見ていると、全然進歩していないようでも5年も経つとそれ相応に少しずつ身についているのがわかります。石の上にも3年、いや10年というところでしょうか。
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