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Mini Dulles [GOODS]

オトコはハンドバッグを持てない。でもスーツのポケットにモノを入れるのはどうも。
じゃセカンドバッグ? 「絶対、ダメ! 許さない!!」と妻。
それでは、一体なにに財布やら携帯やらキーリングやらカメラやら印鑑やらカードやらスイスアーミーナイフやらサングラスやらを入れればいいというのだろうか?(笑)

というわけで、九州の Dulles Club さんに作っていただきました、Navy Mini Dulles.
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Dulles Bag というのは男性のビジネス・ブリーフケースとしては定番の型。
そもそもはドクターズバッグなどと言われる型と言う説も。元・アメリカ国務長官のダレス氏が愛用していたことからダレス・バッグとして広く知られるようになったとのこと。

でも、オリジナルサイズではスーツに合わせるといかにもビジネスバッグ。
で、ミニサイズでつくってもらいました。
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完成してみると、その上質な革、深い艶でスーツにはぴったりなのは思惑どおりだったが、これがボクの求める「ちゃんとした」感と「硬すぎない」感のバランスが絶妙で、ほら、プライベートライフのモータリングシーンにも問題なくマッチ!
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嬉しい誤算でした。これからどんどん街に連れ出そう。
すごくキレイな革なので、最初の内は傷つくのが気になるだろうけど、大事に3年も使えばそれこそ世界にひとつだけの風合いが備わってくる、と思う。
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鉄瓶 [GOODS]


南部鉄器にはかねてから興味があった。
たとえば鉄鍋、風鈴・・・でも、なんといっても、鉄瓶!
囲炉裏の自在鍵から下がり、炭火でちんちんと音をたてながらたおやかな湯気を漂わせる・・・
または、畳の部屋で長火鉢の上にある鉄瓶。昨年末の東北行のひとつの目的は、南部鉄のふるさとで鉄瓶を買うこと。だが、いつもの悪い癖で事前の十分な調査をしないまま旅行当日を迎えることに。ああ、高校生の頃は有り余る時間を下調べに費やし、本番の旅行が事前調査の再確認のようになってしまったことも多し。その反省で、何時頃からかむしろ何の予備知識もなく旅にでることが多くなり。まあ、その中間がいいのでしょうけどね。

閑話休題、鉄瓶についてはもっと調べておくべきだった。いざ目の前にならぶ鉄瓶、どこをどうみればいいのかわからない。それに、いいものはけっこうなお値段である。ええい、感性を信じよ!!
まあおみやげモノに出せる金額の範囲内でオーソドックスと思われる形を購入。ホクホクと帰ってきた。そして、家に帰ってからお正月休みを利用してネットで調べてみると・・・

まずあらゆる手工品に共通であるが、一品物はもう工芸品であり、もちろん数がすくなく高価で、そして美しい。それらはフタのつまみや取っ手も中空に作られ、お湯が沸騰していても素手で持てる(らしい)。また内部には南部鉄器独特のさび止め加工がされているものが本物であり、金漆を内側にも塗ってしまっていたり、ましてや琺瑯びきをしてさびないようにしてあるものは、これは南部鉄器の特徴である、”お湯に鉄分が溶け出し・・・お湯がまろやかに・・・”という効果は無い。
伝統の技法で金気止めをされているものは、内部を木炭で900℃で焼きいれてあるというもの。

おお、危ない危ない。。。わが手中の鉄瓶くんは、もちろん高価な一点ものではなく量産品であり、取っ手やフタのつまみはあっちっちになるが、内部は木炭による金気止めがしてあった。まあ伝統工芸の南部鉄瓶としては合格ラインである。

さて、鉄であるから、お湯など水気があれば錆びる。普通鉄が錆びると、酸化第2鉄の赤錆である。これは水に溶け出し、古い水道管や飲料水タンクの水のようになり、飲めたものではない。赤錆にならないようにするのに独特の使用法があると。まずお茶を煮出してタンニン酸と鉄を反応させるとか、毎日お湯を沸かし、湯垢(水に含まれる炭酸カルシウムが析出したもの?)をつけると内部は錆びなくなり、お湯もまろやかになる、等など。

で、わが鉄瓶くんも毎晩鋭意エージング中なのである。ほんとは火鉢と炭でやりたいのだが、なかなかそうもいかず、せめてもの桐のケースの電熱器である。がんばれ鉄瓶、湯垢がつくまで!おいしいお茶やコーヒーを飲もうぜ!!


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花梨とNouveau [GOODS]


Beaujolais Nouveauの解禁日である。今年は当たり年、と専らの前評判だけれども、なんだかんだと毎年「今年のボージョレーは美味しいゾ」と報道されている(笑)。下戸な夫婦の私たちであるが、たまには二人でヌーヴォもいいでしょ。ということで買ってきました、ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ2006.おまけでクリームタイプの白カビのチーズ。タンニン成分の少ないボージョレは、冷やして美味しいタイプ。8℃くらいで戴く。うん、独特の軽さ、10分くらい空気に触れていると落ち着いていい感じな味わい。フルーティなアロマが日本の女性に人気だが、今年はけっこうしっかりワインっぽいのではないか?ちいさなグラスに2~3杯でもうすっかり出来上がりなお父さんである。

話し変わって。心配された天候もなんとか持ち直し、木枯らし1号が吹いた日曜日REOM2006が無事に終わった。借用していた公園入り口のクルマ止めの鍵を管理事務所に返しにいった帰り、新宿に立ち寄った。そこで見かけた沖縄物産展。ボクは北海道と沖縄の風土、文化、先住民族関係サポーターである。いや、純粋な大和んチューなボクであるが、断固としてサポーターなのである。なので、当然無視できず立ち寄る。さっさと海ブドウ2個、島豆腐、じーまみー豆腐、ラフティー、ソーキすば、シークヮーサーエキスを買い込む。重い(笑)。と、奥のほうに木工の展示が。


そそくさと近寄る。と、なんと一本一本手で削りだした木の軸を持ったペンが並んでいる。
ボールペン、万年筆、など数種類あり、それぞれに黒檀、紫檀、ブラジルウッド、など色々な材料のものがあり、それぞれ柾目、バーズアイなど木目も色々。しっとりと手に馴染む心地よい重さ。若い作家さん本人もいらして説明してくれる。ボクはそのなかで花梨材のものの色合い、木目をじっと見つめ、思い出していた・・・

この春、12年ぶりに北海道へ行った。その際(ミーハーの極致だが)富良野のニングルテラスの鍛冶屋さんでカスタムナイフを買った。いままで幾度となくドロップポイントのシースナイフを買おうとしたのだけれど、なんだかどうしてもラブレスや相田などの超・有名どころを買うのをためらってきた。なんだか身の丈に合っていないような気がしていた。ナイフは工芸品ともいえるが、もともとは勿論実用品である。クマや鹿を射止めて皮を剥ぎ肉を解体して食べるわけでもないボクがナイフを持つこと自体がなんだかインチキくさくて恥ずかしいような気がして。そういう感覚はバイオリンなどの木工製楽器にも特に感じる。でも、その富良野の鍛冶屋さんにおいてあったカスタムナイフは、実に素朴で、刃はハーフスキナー、セミドロップポイント、D2炭素鋼。キレがいいが、手入れが悪いと錆びる。ハンドル材も、ナイフではあまり見たことがない花梨のコブを削ったものだ。勿論値段も有名どころのようなすごい値段ではなく、でもその鍛冶屋さんが丹精こめて作ったことはひと目で分かるとっても綺麗なフォルムで・・・

これなら「刃をこぼしたらどうしよう、うまく研げなかったらどうしよう、」などと考えずに今の自分が等身大な感覚でどんどん使える(持てる)かもしれない、と感じた。鍛冶屋さんに、「ナイフビギナーなんですが、是非これを譲っていただいて、どんどん使ってどんどん研いで長く使わせていただきたいのです」と言ったら、彼は(ボクと同年輩の、コロコロした人だった。鏡見てるよう?)「そんなふうに使ってもらえたら、作った側も嬉しいです。」と言って、刃に名入れしてくれた。
http://www.morinokajiya.com/

そんなことを思い出しながら、その若いクラフトマンに聞いた。「どの材が好きですか?」「僕は花梨のものが好きです。」と彼は即答した。聞けば、ある人間国宝の方が亡くなった折、氏の保有していたカリンの古材を譲り受けたのだという。その貴重な古材から削りだした軸材が、使い込むうちに味わい深く変わっていくのが好きだ、と。なんだか嬉しくなって年筆とボールペンを譲ってもらった。これから、花梨の木をいつくしみながらこの道具たちを使っていこう。
http://setu.jp/


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