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花梨とNouveau [GOODS]


Beaujolais Nouveauの解禁日である。今年は当たり年、と専らの前評判だけれども、なんだかんだと毎年「今年のボージョレーは美味しいゾ」と報道されている(笑)。下戸な夫婦の私たちであるが、たまには二人でヌーヴォもいいでしょ。ということで買ってきました、ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ2006.おまけでクリームタイプの白カビのチーズ。タンニン成分の少ないボージョレは、冷やして美味しいタイプ。8℃くらいで戴く。うん、独特の軽さ、10分くらい空気に触れていると落ち着いていい感じな味わい。フルーティなアロマが日本の女性に人気だが、今年はけっこうしっかりワインっぽいのではないか?ちいさなグラスに2~3杯でもうすっかり出来上がりなお父さんである。

話し変わって。心配された天候もなんとか持ち直し、木枯らし1号が吹いた日曜日REOM2006が無事に終わった。借用していた公園入り口のクルマ止めの鍵を管理事務所に返しにいった帰り、新宿に立ち寄った。そこで見かけた沖縄物産展。ボクは北海道と沖縄の風土、文化、先住民族関係サポーターである。いや、純粋な大和んチューなボクであるが、断固としてサポーターなのである。なので、当然無視できず立ち寄る。さっさと海ブドウ2個、島豆腐、じーまみー豆腐、ラフティー、ソーキすば、シークヮーサーエキスを買い込む。重い(笑)。と、奥のほうに木工の展示が。


そそくさと近寄る。と、なんと一本一本手で削りだした木の軸を持ったペンが並んでいる。
ボールペン、万年筆、など数種類あり、それぞれに黒檀、紫檀、ブラジルウッド、など色々な材料のものがあり、それぞれ柾目、バーズアイなど木目も色々。しっとりと手に馴染む心地よい重さ。若い作家さん本人もいらして説明してくれる。ボクはそのなかで花梨材のものの色合い、木目をじっと見つめ、思い出していた・・・

この春、12年ぶりに北海道へ行った。その際(ミーハーの極致だが)富良野のニングルテラスの鍛冶屋さんでカスタムナイフを買った。いままで幾度となくドロップポイントのシースナイフを買おうとしたのだけれど、なんだかどうしてもラブレスや相田などの超・有名どころを買うのをためらってきた。なんだか身の丈に合っていないような気がしていた。ナイフは工芸品ともいえるが、もともとは勿論実用品である。クマや鹿を射止めて皮を剥ぎ肉を解体して食べるわけでもないボクがナイフを持つこと自体がなんだかインチキくさくて恥ずかしいような気がして。そういう感覚はバイオリンなどの木工製楽器にも特に感じる。でも、その富良野の鍛冶屋さんにおいてあったカスタムナイフは、実に素朴で、刃はハーフスキナー、セミドロップポイント、D2炭素鋼。キレがいいが、手入れが悪いと錆びる。ハンドル材も、ナイフではあまり見たことがない花梨のコブを削ったものだ。勿論値段も有名どころのようなすごい値段ではなく、でもその鍛冶屋さんが丹精こめて作ったことはひと目で分かるとっても綺麗なフォルムで・・・

これなら「刃をこぼしたらどうしよう、うまく研げなかったらどうしよう、」などと考えずに今の自分が等身大な感覚でどんどん使える(持てる)かもしれない、と感じた。鍛冶屋さんに、「ナイフビギナーなんですが、是非これを譲っていただいて、どんどん使ってどんどん研いで長く使わせていただきたいのです」と言ったら、彼は(ボクと同年輩の、コロコロした人だった。鏡見てるよう?)「そんなふうに使ってもらえたら、作った側も嬉しいです。」と言って、刃に名入れしてくれた。
http://www.morinokajiya.com/

そんなことを思い出しながら、その若いクラフトマンに聞いた。「どの材が好きですか?」「僕は花梨のものが好きです。」と彼は即答した。聞けば、ある人間国宝の方が亡くなった折、氏の保有していたカリンの古材を譲り受けたのだという。その貴重な古材から削りだした軸材が、使い込むうちに味わい深く変わっていくのが好きだ、と。なんだか嬉しくなって年筆とボールペンを譲ってもらった。これから、花梨の木をいつくしみながらこの道具たちを使っていこう。
http://setu.jp/


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メディア

バーズアイ?花梨ってパイプで使うブライヤー(ヒースの木の根)の事?
パイプだとグレンやバーズアイって気にするけど、ペン軸やナイフだと余り気にしないな~。
沖縄の食べ物ではスクガラスが好きです。あの瓶詰めは芸術です。沖縄の友達がよく買ってきてくれたのですが、その場でバクバク食べるので体に悪いと買ってきてくれなくなりました。(泣)
by メディア (2006-11-17 01:08) 

i^o^ty

お疲れさんどす。

沖縄・北海道(アイヌ)文化には、梅原猛先生著にて感染しちょります。

あちきは、定番のガーバーを1本ほど、ノーメンテでウエストバックに放り込んでありんす。(ある筈なのよ・・)
古木ものでは、喫煙時代のなごりで、BCのパイプももってあらはります。(これもどこかにある筈なのよ・・)
使わなくなったオイルライターをBMにあげようかしらん(これまたどこかにある筈なのよ・・)
by i^o^ty (2006-11-17 08:48) 

kittyp

こんばんは。
JR高円寺のエキチカに、「むるち」という琉球料理のお店があります。
http://www.muruchi.co.jp/
以前、島唄ライブの日に行きました♪かなり、盛り上がります。
帰りは、テンション上がりっぱなしでした。
今日は、motchieさんのお話でほっこりしました~
by kittyp (2006-11-21 23:03) 

motchie

medie>コメントありがとう。パイプも、ほんとにいいよねえ。
ブライアーはヒースの根っこだね。

i^o^tセンパイ>の中野の太鼓パフォーマンスでは、エイサーとアイヌの踊りが両方見られてウレシイイベントです。

Kyttypさん>むるち、有名ですね。でもまだ行った事無い。
ライブのときに行って見たいナー。らふて~食べたい。
by motchie (2006-11-23 00:48) 

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