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鉄瓶 [GOODS]


南部鉄器にはかねてから興味があった。
たとえば鉄鍋、風鈴・・・でも、なんといっても、鉄瓶!
囲炉裏の自在鍵から下がり、炭火でちんちんと音をたてながらたおやかな湯気を漂わせる・・・
または、畳の部屋で長火鉢の上にある鉄瓶。昨年末の東北行のひとつの目的は、南部鉄のふるさとで鉄瓶を買うこと。だが、いつもの悪い癖で事前の十分な調査をしないまま旅行当日を迎えることに。ああ、高校生の頃は有り余る時間を下調べに費やし、本番の旅行が事前調査の再確認のようになってしまったことも多し。その反省で、何時頃からかむしろ何の予備知識もなく旅にでることが多くなり。まあ、その中間がいいのでしょうけどね。

閑話休題、鉄瓶についてはもっと調べておくべきだった。いざ目の前にならぶ鉄瓶、どこをどうみればいいのかわからない。それに、いいものはけっこうなお値段である。ええい、感性を信じよ!!
まあおみやげモノに出せる金額の範囲内でオーソドックスと思われる形を購入。ホクホクと帰ってきた。そして、家に帰ってからお正月休みを利用してネットで調べてみると・・・

まずあらゆる手工品に共通であるが、一品物はもう工芸品であり、もちろん数がすくなく高価で、そして美しい。それらはフタのつまみや取っ手も中空に作られ、お湯が沸騰していても素手で持てる(らしい)。また内部には南部鉄器独特のさび止め加工がされているものが本物であり、金漆を内側にも塗ってしまっていたり、ましてや琺瑯びきをしてさびないようにしてあるものは、これは南部鉄器の特徴である、”お湯に鉄分が溶け出し・・・お湯がまろやかに・・・”という効果は無い。
伝統の技法で金気止めをされているものは、内部を木炭で900℃で焼きいれてあるというもの。

おお、危ない危ない。。。わが手中の鉄瓶くんは、もちろん高価な一点ものではなく量産品であり、取っ手やフタのつまみはあっちっちになるが、内部は木炭による金気止めがしてあった。まあ伝統工芸の南部鉄瓶としては合格ラインである。

さて、鉄であるから、お湯など水気があれば錆びる。普通鉄が錆びると、酸化第2鉄の赤錆である。これは水に溶け出し、古い水道管や飲料水タンクの水のようになり、飲めたものではない。赤錆にならないようにするのに独特の使用法があると。まずお茶を煮出してタンニン酸と鉄を反応させるとか、毎日お湯を沸かし、湯垢(水に含まれる炭酸カルシウムが析出したもの?)をつけると内部は錆びなくなり、お湯もまろやかになる、等など。

で、わが鉄瓶くんも毎晩鋭意エージング中なのである。ほんとは火鉢と炭でやりたいのだが、なかなかそうもいかず、せめてもの桐のケースの電熱器である。がんばれ鉄瓶、湯垢がつくまで!おいしいお茶やコーヒーを飲もうぜ!!


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kittyp

先週末、OZONEのイベント「和のある暮らしのカタチ展」で、
秋田のまげわっぱとか、盛岡の南部鉄器が紹介されていました。
製作の工程も多く、手間が掛かっているなぁと思いました。
北東北には、土がないので陶芸は少ないのですが、
唯一、鳥海山の近くに工房があったりするようです。
本当に、みんなで東北ツアーに行きたいですね。
by kittyp (2007-01-25 00:45) 

motchie

kittypさん、いつもコメント等ありがとうございます。
なるほど、陶芸に適した土がでないんですかあ。知らなかった~。

東北はEnfieldでアプローチするのが大変ですけれど、行ってしまえばほんとうにいい道、いい山、いい小川の宝庫ですよね。今度は八幡平とか陸中海岸とか走ってみたいな。
by motchie (2007-01-25 00:49) 

ふー

第3回和のある暮らしのカタチ展が2008年1月18日~20日までOZONEで開催されます。
Webでつくり手が紹介されています。
ぜひご覧ください。
http://www.wanokatachi.smrj.go.jp/
by ふー (2007-12-15 02:21) 

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